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DRI
DRI Survey Report No.8, 2004
DRI 調査レポート No.8, 2004
平成 16 年 10 月 新潟県中越地震
調査報告(速報) 2004 年 10 月 26 日現在
災害概要
10 月 23 日 17 時 56 分に新潟県中越地方において、M6.8 の地震が発生し、小千谷市で震度 6 強、長岡市、十日町市、
栃尾市等で震度 6 弱を記録した。その後も断続的に最大震度 5 以上の地震が発生し、人的・物的被害も断片的に報
道され始めた。
阪神・淡路大震災以降、わが国おける最大規模の震災になる見込みである。したがって、人と防災未来センター
として初動から復旧・復興まで見据えた長期の貢献を視野に入れた状況把握を行うとともに、今後の具体的支援を
検討するための情報収集を行う必要があるとしたことから、人と防災未来センターでは、福留邦洋専任研究員、平
山修久専任研究員の 2 名を現地に派遣した。
調査概要
日程 : 平成 16 年 10 月 24 日 ( 日 )
メンバー : 福留邦洋専任研究員、平山修久専任研究員
調査行程 :
10:30 新潟県地震災害対策本部
11:30 新潟県土木部都市局下水道課、土木部監理課、土木部道路管理課
13:00 国土交通省北陸地方整備局
14:00 新潟県地震災害対策本部、新潟県県民生活・環境部防災局危機管理防災課
16:30 長岡市内被災現場
被害概要(10 月 25 日 16 時現在、内閣府、
平成 16 年(2004 年)新潟県中越地震に
ついて(第 4 報))
(1) 地震の概要
a.10 月 23 日 17 時 56 分頃の地震
震源地 新潟県中越
(北緯 37.3 度、東経 138.8 度)
震源の深さ 約 20 km
規模 マグニチュード 6.8
主な震度
震度 6 強 小千谷市
震 度 6 弱 十 日 町 市、 中 里 村、
長 岡 市、 栃 尾 市、 三 島 町、
越後町、川西町、刈羽村
b.10 月 23 日 18 時 12 分頃の地震
震源地 新潟県中越
図 -1 新潟県中越地震(10 月 23 日 17 時 56 分頃)の地震情報
(各地の震度に関する情報)(気象庁)
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DRI Survey Report No.8, 2004
(北緯 37.2 度、東経 138.8 度)
震源の深さ ごく浅い
規模 マグニチュード 5.9
主な震度
震度 6 強 小千谷市
c.10 月 23 日 18 時 34 分頃の地震
震源地 新潟県中越
(北緯 37.3 度、東経 138.9 度)
震源の深さ 約 10 km
規模 マグニチュード 6.3
主な震度
震度 6 強 十日町市
震度 6 弱 小千谷市、六日町、
安塚町
(2) 避難
避難者数 39 市町村 97,798 名
図 -2 平成 16 年新潟県中越地震災害状況図(平成 16 年新潟県中越
(3) 人的被害(10 月 25 日 16 時現在)
地震災害状況図(第 2 報),国土交通省国土地理院)
死者 23 人、負傷者 1,258 人
(4) 建物被害
全壊 203 棟、半壊 299 棟、一部損壊 2,632 棟、建物火災 11 件
調査内容
(1) 新潟県庁
新潟県における防災は県民生活・環境部防災局危機管理防災課が担当している。今回の地震では、地震発生直
後の 23 日午後 5 時 56 分に県地震災害対策本部を設置し、対応している。
24 日午前の段階では、新潟県地震災害対策本部では、対策班、広報班、消防、自衛隊などがそれぞれのテーブ
ルにおいて被害状況の確認など情報収集を行っている段階であった。しかしながら、県内の各市町村との連絡体制
が十分確保できておらず、被害状況が各市町村から速やかに上がってこない状況であったようにうかがえた。なか
でも古志郡山古志村とはほとんど連絡がついておらず、被害状況に関する情報がきちんととれていないような状況
であった。つまり、激甚な被害が生じている地域については情報空白地域となっており、24 日午前の段階では今
回の地震被害の全体像を把握しきれていなかったといえる。
また、ホワイトボードに被害情報を時系列で掲示し、黒板には、各市町村との連絡状況などの情報を記入した
り FAX 用紙を掲示したりするなどしていた。対策班や自衛隊などのそれぞれの対応を行っている部署間の情報共
有は、これらのホワイトボードや黒板を使って行っており、どの情報が更新されたのかが即座に把握できないなど、
図 -3 新潟県地震災害対策本部(その 1)
図 -4 新潟県地震災害対策本部(その 2)
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必ずしもスムーズに情報共有が行えているような状況とはいえないも
のであった。
県地震災害対策本部以外に、通常の部局として、県民生活・環境部
防災局危機管理防災課、土木部監理課、土木部都市局下水道課、土木
部道路管理課においていくつかお話を伺うことができた。土木部にお
いては、職員を現地に派遣し、情報収集にあたっていること、危機管
理防災課においては、災害救助法や被災者生活再建支援法などについ
て検討している、などそれぞれの部局において情報収集ならびに今後
の対応について検討をはじめているとのことであった。
(2) 国土交通省北陸地方整備局
新潟県内の国道、河川、港湾の管理を行っているのが、国土交通省
北陸地方整備局である。
今回の地震では、道路が甚大な被害を受けたことにより、孤立した
地域が出ているとのことであった。土曜日の夕方に発生した地震であっ
たことから、地震発生後夜間は被害状況の把握を行うことができず、
約 12 時間経過した 24 日の朝から現地での被害状況の確認を行ってい
るということであった。したがって、我々が北陸地方整備局を訪れた
時点では、被害状況の把握ならびに確認をはじめてから実質 6 ∼ 7 時 図 -5 新潟県地震災害対策本部(その 3)
間経過した時点であるとのことであり、現在、道路や河川などの被害
状況を確認しながら、地図上に落とし込む作業を行って
いるとのことであった。
(3) 三条市∼見附市
新潟県庁のある新潟市から北陸道経由で三条市内まで
移動し、県道 8 号線沿いに車窓から見附市内などを観察
した。
三条市内は、コンビニをはじめ商業施設等は通常営業
しており、電気、水道などの被害は出ていない様子だった。
見附市に入ると、ブロック塀が倒れたり、屋根瓦がずれ
たり、屋根が一部損壊している建物が散見された。しかし、
既にブルーシートで覆われた建物も多く、比較的早く対
応できているといえた。見附大橋が損傷して通行止にな
るなど道路橋の損傷により、大きな迂回や交通渋滞が発
生していることは、大きな河川の少なかった阪神・淡路
大震災ではあまり顕著にならなかった現象である。
(4) 長岡市土合町国道 17 号付近
この地域は、JR 長岡駅から南東に約 2km のところで
あり、今回の地震の震源地から北に約 15km 離れている。
この地域では、道路舗装に亀裂がみられ、路肩部分や
縁石も損傷していた。傾斜した建物も幾つかみられた。
自動車を避難所として使用したり、庭先や道路上にテン
トを張っている世帯がかなりあった。最大震度 6 強の地
震が 3 回続いたり、規模の大きな余震があることから、
余震への不安は大きいものと思われる。庭先の納屋や車
庫等を一時的な生活場所として活用している事例は、昨
年発生した宮城県北部地震の際にも同様にみられた。
この地域では電気、水道が停止しており、人々は屋外
で調理していた。また商店では、地震により散乱した商
品がまだ片づかず、照明のない中で店員がヘルメットを
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図 -6 見附市内の被災家屋
図 -7 長岡市土合町国道 17 号被災状況
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図 -8 長岡市内の隆起した下水道のマンホール
DRI Survey Report No.8, 2004
図 -9 長岡市内でのテントによる避難状況
装着して販売を行っていた。一方、液状化現象により、マンホールが地表面から 70 ∼ 80cm 浮き上がっていたり、
電柱が傾くなどの影響が確認された。この地区の周辺は水田が広がり、水田から宅地造成された可能性がある。な
お、わずかな距離の違いで被害が顕著にみられる場所とそうでない場所が存在し、停電している地区とそうでない
地区が混在しているようにうかがえた。
まとめ
今回の地震は、阪神・淡路大震災以降の我が国で発生した地震のなかでも最も被害が大きなものであるといえ、
今後は、阪神・淡路大震災での経験と教訓を活かしていくことが必要であろう。今回の調査は地震発生から 24 時
間以内であったが、このような初動期においても、応急対応期、復旧・復興期での課題や対応について検討してお
くことが重要であるといえる。つまり、対応が後手にならないように、初動から応急や復旧への準備を行い、次の
一手につなげていくことが必要である。また、今後、行政をはじめとして支援団体が新潟県に支援を行う際には、
次の手を考慮に入れた支援を行っていくことが必要である。
夕方に発生した地震であること、道路網ならびに通信網が大きな被害を受けたことなどから山間部の被災地域
からの被害情報があがってこない、あるいは情報把握が遅れるなど、情報空白が生じている。したがって、情報が
上がってこない地域から積極的に情報を取得する体制なども含めて、このような激甚な災害時にいかに迅速に被害
情報を収集するのかについて検討する必要がある。
また、豪雨・水害直後の地盤が緩んだ状態で発生した地震であり、他地域において台風による被害が生じてい
たことなどから、複合型の多重災害であるといえる。さらには、道路、鉄道が大きな被害を受けたことにより、孤
立した地域が発生するなど、阪神・淡路大震災とは異なる側面もうかがえる。このような状況下において、自衛隊
や緊急消防援助隊などの救援活動に対して活用可能な人的・物的資源をいかに運用していくのか、また、物的・人
的支援をいかに行うのかについても検討していくことが重要である。
上水道をはじめとするライフラインに大きな被害が生じている。被災者にとってライフラインに関する情報は
重要であるといえることから、ライフラインに関する情報、さらには安心情報をいかに被災者に提供することがで
きるのかが必要であるといえる。
被災者の方々には心よりお見舞い申し上げ、一日も早い復興の実現をお祈り申し上げるとともに、調査にご協
力いただいたすべての方々に御礼を申し上げて本報告の結びとしたい。
DRI 調査レポート No.8, 2004
財団法人 阪神・淡路大震災記念協会
人と防災未来センター
DRI
〒 651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通 1-5-2
TEL : 078-262-5060, FAX : 078-262-5082
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